ローンの元利均等返済:仕組みと月額の計算式
ローンの返済方式には元利均等返済と元金均等返済があり、それぞれ毎月の支払額や総支払利息が異なります。本記事では計算式と挙動を整理します。
元利均等返済:毎月同じ額
最も一般的な住宅ローンの返済方式。毎月の返済額(元金 + 利息)が一定になるように計算されます。
毎月返済額 M は:
M = P × r × (1 + r)^n / ((1 + r)^n - 1) - P:元金(借入額)
- r:月利(年利 / 12)
- n:返済回数(月数)
例:3000 万円、年利 1.0%、35 年(420 回):
- r = 0.01 / 12 ≒ 0.000833
- M = 30,000,000 × 0.000833 × (1.000833)^420 / ((1.000833)^420 − 1) ≒ 84,685 円
元金均等返済:元金が一定
毎月の元金返済額が一定で、利息は残債に応じて減っていく方式。
- 1 ヶ月目の元金:P / n
- 1 ヶ月目の利息:P × r
- 1 ヶ月目の支払額:P / n + P × r
返済が進むほど利息が減るため、初期は支払額が大きく、後半は小さくなります。
2 つの方式の比較
| 項目 | 元利均等 | 元金均等 |
|---|---|---|
| 毎月の支払 | 一定 | 初期は多く、徐々に減少 |
| 総支払利息 | 多め | 少なめ |
| 初期負担 | 軽い | 重い |
| 計画の立て易さ | 良い(毎月固定) | やや難しい |
3000 万円・1.0%・35 年で比較すると:
- 元利均等:総支払 約 3557 万円(利息 557 万円)
- 元金均等:総支払 約 3527 万円(利息 527 万円)
差は 30 万円程度。元金均等の方が利息は少ないが、初期の負担が重い。
利息と元金の内訳の変化
元利均等返済での内訳は時間とともに変化します:
- 初期:支払額のうち利息の割合が高い
- 後期:支払額のうち元金の割合が高い
3000 万円・1.0%・35 年の例:
| 回 | 支払額 | 利息 | 元金返済 | 残債 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 84,685 | 25,000 | 59,685 | 29,940,315 |
| 120 | 84,685 | 19,830 | 64,855 | 23,791,000 |
| 240 | 84,685 | 13,540 | 71,145 | 16,247,000 |
| 420 | 84,685 | 70 | 84,615 | 0 |
「利息ばかりで元金が減らない」のは初期の特徴。
繰上返済の効果
繰上返済には 2 種類:
期間短縮型
返済期間を短くする。利息軽減効果が大きい。
例:3000 万円・1.0%・35 年で 10 年目に 200 万円繰上返済:
- 短縮期間:約 2 年 6 ヶ月
- 利息軽減:約 80 万円
返済額軽減型
毎月の返済額を減らす。期間は変わらない。
- 月々の負担を減らしたい場合
- 利息軽減効果は期間短縮型より小さい
「利息を減らしたい」なら期間短縮、「月々の支払を楽にしたい」なら返済額軽減。
変動金利と固定金利
固定金利
完済まで金利が変わらない。
- メリット:返済額が確定し、計画が立てやすい
- デメリット:変動金利より金利が高め
変動金利
半年ごとに金利が見直される。
- メリット:低金利時は返済額が少ない
- デメリット:金利上昇リスク
「5 年ルール」「125% ルール」(日本の慣習):
- 5 年間は返済額が変わらない
- 5 年後の見直しでも前回の 1.25 倍までしか上がらない
ただし元金返済が遅れる「未払利息」が発生する可能性あり。
借入可能額の目安
「年収の何倍まで借りられるか」の目安:
- 返済負担率:年収に対する年間返済額の割合
- 一般的に 25〜30% 以下が目安
年収 600 万円なら、年間返済額 150〜180 万円。月額 12.5〜15 万円。
3000 万円・1.0%・35 年で月 8.5 万円なので、年収 600 万円なら余裕あり。
ボーナス併用
「毎月 6 万円 + ボーナス時 30 万円」など、ボーナス払いを組み合わせる方式:
- ボーナス分の元金は、半年に一度の返済として別計算
- 毎月分とボーナス分でそれぞれ計算式を適用
ボーナスが減ると返済が苦しくなるリスクあり。最近は「ボーナス払いゼロ」も増えている。
計算上の注意
- 金利の単位:年利を月利に変換(年利 / 12)
- 元利均等の式:複利の式から導出されるため、単純な「月割り」ではない
- 手数料・保証料:実際の総支払額には含まれる
- 団体信用生命保険:金利に上乗せされる場合と別払いの場合あり
「金利だけ」「元利均等の元金 + 利息」では実際のコストはわかりません。
まとめ
- 元利均等は毎月同じ額、元金均等は初期が重い
- 元利均等は計算が複雑だが、計画が立てやすい
- 繰上返済は期間短縮型が利息削減効果大
- 変動金利は 5 年ルール・125% ルールに注意
借入額・金利・期間からの月額返済シミュレーションは、本サイトのローン計算機が使えます。