ローンの元利均等返済:仕組みと月額の計算式

約5分

ローンの返済方式には元利均等返済元金均等返済があり、それぞれ毎月の支払額や総支払利息が異なります。本記事では計算式と挙動を整理します。

元利均等返済:毎月同じ額

最も一般的な住宅ローンの返済方式。毎月の返済額(元金 + 利息)が一定になるように計算されます。

毎月返済額 M は:

M = P × r × (1 + r)^n / ((1 + r)^n - 1)
  • P:元金(借入額)
  • r:月利(年利 / 12)
  • n:返済回数(月数)

例:3000 万円、年利 1.0%、35 年(420 回):

  • r = 0.01 / 12 ≒ 0.000833
  • M = 30,000,000 × 0.000833 × (1.000833)^420 / ((1.000833)^420 − 1) ≒ 84,685 円

元金均等返済:元金が一定

毎月の元金返済額が一定で、利息は残債に応じて減っていく方式。

  • 1 ヶ月目の元金:P / n
  • 1 ヶ月目の利息:P × r
  • 1 ヶ月目の支払額:P / n + P × r

返済が進むほど利息が減るため、初期は支払額が大きく、後半は小さくなります。

2 つの方式の比較

項目元利均等元金均等
毎月の支払一定初期は多く、徐々に減少
総支払利息多め少なめ
初期負担軽い重い
計画の立て易さ良い(毎月固定)やや難しい

3000 万円・1.0%・35 年で比較すると:

  • 元利均等:総支払 約 3557 万円(利息 557 万円)
  • 元金均等:総支払 約 3527 万円(利息 527 万円)

差は 30 万円程度。元金均等の方が利息は少ないが、初期の負担が重い。

利息と元金の内訳の変化

元利均等返済での内訳は時間とともに変化します:

  • 初期:支払額のうち利息の割合が高い
  • 後期:支払額のうち元金の割合が高い

3000 万円・1.0%・35 年の例:

支払額利息元金返済残債
184,68525,00059,68529,940,315
12084,68519,83064,85523,791,000
24084,68513,54071,14516,247,000
42084,6857084,6150

「利息ばかりで元金が減らない」のは初期の特徴。

繰上返済の効果

繰上返済には 2 種類:

期間短縮型

返済期間を短くする。利息軽減効果が大きい

例:3000 万円・1.0%・35 年で 10 年目に 200 万円繰上返済:

  • 短縮期間:約 2 年 6 ヶ月
  • 利息軽減:約 80 万円

返済額軽減型

毎月の返済額を減らす。期間は変わらない。

  • 月々の負担を減らしたい場合
  • 利息軽減効果は期間短縮型より小さい

「利息を減らしたい」なら期間短縮、「月々の支払を楽にしたい」なら返済額軽減。

変動金利と固定金利

固定金利

完済まで金利が変わらない。

  • メリット:返済額が確定し、計画が立てやすい
  • デメリット:変動金利より金利が高め

変動金利

半年ごとに金利が見直される。

  • メリット:低金利時は返済額が少ない
  • デメリット:金利上昇リスク

「5 年ルール」「125% ルール」(日本の慣習):

  • 5 年間は返済額が変わらない
  • 5 年後の見直しでも前回の 1.25 倍までしか上がらない

ただし元金返済が遅れる「未払利息」が発生する可能性あり。

借入可能額の目安

「年収の何倍まで借りられるか」の目安:

  • 返済負担率:年収に対する年間返済額の割合
  • 一般的に 25〜30% 以下が目安

年収 600 万円なら、年間返済額 150〜180 万円。月額 12.5〜15 万円。

3000 万円・1.0%・35 年で月 8.5 万円なので、年収 600 万円なら余裕あり。

ボーナス併用

「毎月 6 万円 + ボーナス時 30 万円」など、ボーナス払いを組み合わせる方式:

  • ボーナス分の元金は、半年に一度の返済として別計算
  • 毎月分とボーナス分でそれぞれ計算式を適用

ボーナスが減ると返済が苦しくなるリスクあり。最近は「ボーナス払いゼロ」も増えている。

計算上の注意

  • 金利の単位:年利を月利に変換(年利 / 12)
  • 元利均等の式:複利の式から導出されるため、単純な「月割り」ではない
  • 手数料・保証料:実際の総支払額には含まれる
  • 団体信用生命保険:金利に上乗せされる場合と別払いの場合あり

「金利だけ」「元利均等の元金 + 利息」では実際のコストはわかりません。

まとめ

  • 元利均等は毎月同じ額、元金均等は初期が重い
  • 元利均等は計算が複雑だが、計画が立てやすい
  • 繰上返済は期間短縮型が利息削減効果大
  • 変動金利は 5 年ルール・125% ルールに注意

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